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橋本國彦/交響曲第2番 三つの和讃 他

橋本國彦(1904-1949)

交響曲第2番(1947)
三つの和讃(1948)
感傷的諧謔(1928)

湯浅卓雄指揮
福島明也(バリトン)
藝大フィルハーモニア

橋本國彦(1904-1949)、戦前の日本の作曲家による「交響曲第2番」をはじめとする管弦楽作品集。
日本人の交響曲をこんなに何度も何度も聴いことは今までにあっただろうか。
お弟子さんに芥川也寸志、黛敏郎などが名を連ねる教育者でもあったらしいがこのアルバムを知るまでは名前を聞くのも初めてだった。
ナクソス・レーベルの「日本作曲家選輯」というシリーズの1枚なのだが、解説なども非常に細かくてすごく勉強になる内容。

「交響曲第2番」は「新憲法制定を祝う祝賀会」のために「憲法普及会」の委嘱で書かれたということだが、日本的な叙情性に富んだメロディーといわゆる西洋的なオーケストレイションがセンスよく掛け合わさった曲だ。
何気なく聴いているうちにいつのまにか頭にメロディが刷り込まれ、まるで映画のサントラのように巡りだす。
何年か前の夏に行った、作曲家がこの曲を書いた時に住んでいた鎌倉極楽寺あたりの風景を思い出したりして、少しノスタルジックな気分になる。
オーケストラは完全に鳴らしきるという部分はほとんどなく、弦と木管と金管がほどよくブレンドされる室内オーケストラ的な響き。まさに日本のオーケストラのために書かれた交響曲といえるのではなかろうか。

それからこの交響曲以上に気に入ったのが、日本宗教音楽協会の委嘱で書かれたというオーケストラとバリトンの独唱のための「三つの和讃」だ。
親鸞上人の「浄土和讃」の中の3首に曲が付けられそれをバリトンが詠う。
特に2曲目、3曲目がいい。
ユニークな和のメロディーと伴奏の洗練されたオーケストレーションがとても楽しい。
ここで演奏をしている藝大フィルハーモニアはとても素晴らしい音色を持ったオーケストラだと思った。

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