チャイコフスキー:
バレエ音楽「くるみ割り人形」抜粋
ストラヴィンスキー:
バレエ音楽「春の祭典」
管弦楽:オーケストラ・ダヴァーイ
児童コーラス:オーケストラとうたう杜の歌・こども合唱団
指揮:森口真司
2018年8月19日(日)13:30
ミューザ川崎シンフォニーホール
昨年は出かけられなかったのだが、2年ぶりのダヴァーイ。
演奏曲目が僕の大好きな「くるみ割り」と、遂に「春の祭典」を演るとのことでとても楽しみにしていた。
あと、会場がミューザ川崎(ポポフ:交響曲第1番の日本初演をした東京交響楽団の本拠地でもある)ということで、こちらも初めてなので足を運ぶ良い機会となった。
前半のチャイコフスキーは以前「ガイーヌ」の時もそうでしたがきちっとツボをおさえた選曲が良かった。
「小序曲」「行進曲」「ロシアの踊り」「花のワルツ」も入ってない抜粋版。
いきなり「クリスマスツリー」で始まって、「松林の踊り」から「雪片のワルツ」は本当に素晴らしかった。
児童コーラスが入った「雪片のワルツ」なんて他ではなかなか聴けないだろう。
とても贅沢な編成だ。
そして「グラン・パ・ド・ドゥ」はきっちり入っていたのでとても満足。
後半の「春の祭典」も素晴らしい爆演で、ポポフに続きさすがはダヴァーイ。
冒頭のファゴットがゆっくりと吹き始めるあたり、なんかすごいものが始まる感じがした。
音量もさることながら、緊張感がこちらにも伝わってくる感じがすごかった。
毎回感じることだが、ベクトルがきちっとあっているというか、皆が同じ方向に向かっている、
言葉で言うのは難しいが「っぽい」音がするオケだといつも思う。
カラヤンは大好きですけど、カラヤン&ベルリン・フィルの「くるみ割り」よりも森口&ダヴァーイの「くるみ割り」の方が「っぽい」という感じ。
ストラヴィンスキーがカラヤンの「春の祭典」にケチをつけたのも恐らくそういうことではないか。
最近、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団のレコードをよく聴いていて思うのだが、あれだけデッカが追い回して録音したのには理由があるはず。
縦と横のリズムを合わせることも大事だとは思うが、それ以上に音楽は「雰囲気」「ムード」そして「高揚」、もっと簡単にいうと「ノリ」が大事だと個人的に思っている。
よく響くグランカッサとタムタムの音も良かった。こういう楽器のチョイスも非常に大事だと思う。
今回のコンサートは、いつも以上に楽しませていただいた。
ミューザ川崎も素晴らしいホールだった。
弱音のヴァイオリンが良く響いていたが、強奏時は若干音が混濁する傾向があるように感じた。
音に関しては普通かな。