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アーノルド・カーツのラフマニノフ

ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27

アーノルド・カーツ(指揮)
ノヴォシビルスク・アカデミー交響楽団

ラフマニノフの交響曲第2番はこないだスヴェトラーノフで書いたばかりだが素晴らしいCDがあったので再び。

ロシア・シベリアの都市ノヴォシビルスクのオーケストラ、ノヴォシビルスク・アカデミー交響楽団のラフマニノフ。
新譜で何故こんな地方都市のオケのCDが出ているのだろうと不思議に思いつつもとても気になっていた。
指揮者のアーノルド・カーツ氏は50年にもわたってこのオーケストラの音楽監督を務めている超ベテラン。
このコンビのCDはタネーエフの交響曲第4番を1枚だけ所有していて、とても力強い素晴らしい演奏をしていたのでとても期待して購入。

演奏はロシアのオーケストラらしい渋みのある音でありながらも非常に丁寧に歌うような音楽が展開されている。
スヴェトラーノフのラフマニノフとは一味も二味も違う演奏。
のっぺりとした、それでいて味のあるトランペット、くぐもったほの暗い音色にヴィブラートのかかったホルン、柔らかに歌う木管群、そしてシベリアの曇り空(見たことはないが想像)をおもわせる弦楽。
これは2005年の録音なのだが、まだロシアらしい音を持ったこんなにすごいオーケストラがあるということに嬉しくなった。
録音も素晴らしく(再生機器を持っていないのだがSACD)各楽器の音色がきちっととらえられている。
こんなに細部のパートがはっきり聴こえるラフマニノフの交響曲第2番は初めて。
例えば第1楽章後半の盛り上がり部分のティンパニとシンバル・大太鼓の打ち込み部分のリズムなど、こうなっていたんだと、新たな発見も多い。
同時収録のボヘミア奇想曲ではさらにこのオーケストラの持ち味であるロシアらしいサウンドが炸裂する名演!

だがしかし。
いろいろ検索をしていたら、指揮者のアーノルド・カーツ氏は今年の1月22日に亡くなっていることがわかった。
こんな名演に出会えて、ここのところ嬉しくて毎日聴いていただけにとてもショックだ。
アーノルド・カーツ氏なき後も、この素朴でありながらもロシアの大地を思わせる味わい深いサウンドが、このオーケストラからいつまでもなくならないことを祈りたい。