suntory
2015年5月31日(日)18:00〜 サントリーホール

ウラジーミル・フェドセーエフ:指揮
チャイコフスキー記念ボリショイ交響楽団

〜生誕175年記念チャイコフスキー・プログラム〜
チャイコフスキー(ガウク:編曲):四季 作品37b〜4月、6月、10月、12月
チャイコフスキー:クリスマスツリー(バレエ曲「くるみ割り人形」作品71a)
—休憩—
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
—アンコール—
チャイコフスキー:バレエ曲「眠りの森の美女」パノラマ
チャイコフスキー:「雪姫」道化師の踊り
ハチャトゥリアン:バレエ曲「ガイーヌ」レズギンカ
チャイコフスキー:バレエ曲「白鳥の湖」スペインの踊り

前回2013年から3年ぶりの来日公演へ出かけた。日本ツアーの最終日。

「四季」の「4月」冒頭のバイオリンと木管の裏打ち、続くチェロとコントラバスのピチカートのそれぞれの楽器の倍音が重なってホールに響く。
芸術監督・首席指揮者のフェドセーエフ氏が今年の2月にご病気をされたという記事がネット上にあったが、お元気そうなな指揮姿を拝見できて一安心。
このオーケストラのややザラつきのある弦の音は大好きだ。かつては氷のような冷たく鋭い金管とカミソリのような弦楽が特徴のオーケストラであったが私はその名残り(伝統)だと思っている。そしてこのガウク編曲のオケ版「四季」で大活躍だったのは意外にも木管楽器。アンサンブルが大変素晴らしかった。
続く「くるみ割り人形」でもチャイコフスキーのチャーミングな木管パートが際立っていた。私の座った席がステージ下手だったせいもあるかもしれない。

後半のメインプログラムはフェドセーエフお得意の交響曲第5番。この曲は2009年の公演時にもここサントリーホールで聴いている。早めのテンポで進め歌うべきところでグッとテンポを落とすスタイルは基本的に変わっていないが、オーケストラの音色にロシアっぽさが復活しているようで大変な名演であった。
特に第2楽章が素晴らしかった。有名なホルンソロであるが、今回もやや篭った仄暗い音色でビブラートをかける伝統的なスタイルで演奏されている。恐らくもうこのオーケストラでしか聴くことができないのではなかろうか。このソロは2名の奏者で吹き分けたりする場合があるが一人で全部吹ききっていた。
前回フェドセーエフの第5番の印象を「淡麗辛口」と書いたが今回の演奏を聴いて言葉足らずだと感じた。今回の演奏を聴いて世代交代などで音色が不安定な時期から安定期〜成熟期に入って音色や演奏に厚みや深みが出てきているのではないかと思った。あくまでも個人的な感想だが。

交響曲第5番はブラヴォーの嵐で拍手が鳴りやまない。その後アンコールを4曲。
そしてなんと、このオーケストラの十八番であるハチャトゥリアンの「ガイーヌ〜レズギンカ」が聴けるとは思わなかった!もちろんサモイロフさんの独壇場でもう言うことなし。
オーケストラの団員さんがはけた後も、拍手が鳴りやまずフェドセーエフさんは何度もステージにお出になられていた。
何度聴いてもまた聴きたくなる、そして何よりも楽しいのである。こういうオーケストラは世界を探しても他にないと思う。

楽器配置は左右に第1、2ヴァイオリン(両翼配置)、真ん中左にチェロ、右にヴィオラ。前回までは最後列に一列に並んでいたコントラバスは左奥に2列に配置。その前に、ハープとチェレスタ。ステージ中央の木管は1列目左からフルート、オーボエ、2列目左からクラリネット、ファゴット。金管はその後ろに一列、左からトランペット、トロンボーン、中央にチューバ、打楽器(グロッケンシュピール、ティンパニ、シンバル、グランカッサ)。ステージ左最後列にホルン。