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井上道義/ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト

12月1日(土)17時開演
日比谷公会堂

ショスタコーヴィチ:
交響曲第4番ハ短調作品43

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:井上道義

ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクトを聴くために日比谷公会堂へ再び。
先月12日の10番、13番をロシアのサンクトペテルブルグ交響楽団の素晴らしい演奏で聴くことができた。
今日は第4番のシンフォニーでオケは東京フィル、日本のオーケストラ。
この第4番の交響曲は一度生で聴いてみたかった。
すごい過激な音がする曲だから。指揮者の井上道義さんも「ヘヴィメタ・シンフォニー」と呼んでいた。

で、今日は会場にすごいゲストが来ていた。
ロックンローラー内田裕也氏だ。演奏前にステージで内田裕也氏と井上道義氏のトークが。
何故、内田裕也氏がゲストかというと、
今日のプログラムがヘヴィメタル(=ロック)的なシンフォニーだからということ、そして内田裕也氏は60年代に日比谷野外音楽堂で10円、100円コンサートをやったから。
そうそう、井上道義氏によるこの日比谷公会堂でのプロジェクトは全てのプログラムが3000円なのだ。
だから毎回井上氏がステージに出てきて、採算がとれないからカンパをよろしくと言うのだ。

当日の話で内田裕也氏が言っていたこと。
「ロックは反体制的なもの、ショスタコーヴィチは聴いたことがないけれども旧ソビエト時代にスターリンの弾圧に反発し続けて作品を残した人物。音楽や芸術はそういうところからいいものがうまれてくる。マインドは一緒だ」というようなことを話していた。
なるほどなと思った。
僕が昨年辺りからショスタコーヴィチをよく聴くようになったのは単に生誕何周年とかといったことだけではなく、心の奥底にある反発心のようなものがショスタコーヴィチの音楽に共感を示しているのかなと思った。
歳をとったから特に感じるのかもしれないが、最近明るいニュースもないし、決していい時代ではないよな、と感じることが多いし。
こういう今の時代だからこそ聴かれるべき音楽なのかなと、ちょっと思った。

で演奏会はというと、すごくよかった。ありきたりな感想だけど。
でもやっぱり日本のオーケストラは音がぬるい。でもそれなりにすごい音出てた。
特に打楽器は頑張っていたな。
この間のサンクトペテルブルク交響楽団と比べては悪いが、機能性は高くても底力みたいなものがない。あと真面目なんですね、きっと。優等生的な演奏をする。

でも来週も行く。
このプロジェクトは本当に素晴らしいと思う。
昭和の香りのする日比谷公会堂もいいし、この季節、日比谷公園を散歩するのもなかなかいい。

井上道義/ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト

11月11日(日)15時開演
日比谷公会堂

ショスタコーヴィチ:
交響曲第10番ホ短調作品93
交響曲第13番変ロ短調作品113

バス:セルゲイ・アレクサーシキン
合唱:東京オペラシンガース
管弦楽:サンクトペテルブルク・アカデミー交響楽団
指揮:井上道義

久々に更新。
すっかり忘れていた、この「井上道義/ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト」。
土曜の夜に急に気になって調べたら、明日の日曜がサンクトペテルブルクのオケのプログラム最終日。
その日の夜、会社の人の結婚式の披露宴の予定が入っていたが、何とか間に合うだろうということで当日券を購入、聴くことができた。セーフ・・。

会場は日比谷公会堂。初めて足を運んだが古くて趣のある建物。
このホールは戦前に建てられ、ショスタコーヴィチの日本初演の多くをこのホールでやっている。
内部は思ったよりも狭く、今回の2F席からでもオケが間近だ(上の写真)。
面白いのがステージの両サイドの大道具の搬入口だろうか、シャッターがむき出しになっているところ。
それから普段は暗幕でも垂れ下がっているのだろうか、ステージ天井裏へ続く階段が少し見えていたりなんともショスタコ的アングラな感じが良い。
指揮者の井上道義さんのサイトで書かれていたが、2F席の方が直接的ないい音がするとのこと。
実際、残響はほぼゼロながらとても楽しむことができた。

で、今日のオケ、サンクトペテルブルク・アカデミー交響楽団。
1昨年前の暮れにチャイコフスキーのバレエ曲をドミトリエフの指揮で聴いた。
その日雪で楽器の運搬が送れるというトラブルでほぼリハーサルなしという状況での演奏を聴いたのだが、このオケのレベルの高さには驚かされた。
今回も素晴らしい演奏を聴かせてくれた。
1週間で8曲の交響曲を演奏するというかなり強引なプログラムだが、しっかりとした力強いショスタコだった。

前にも思ったのだが、このオケは弦がすごい。
ザラッとした渋い音がする。特にチェロとコントラバスは重量級でものすごい音がする。
いつも気になるホルンだが、今回はほぼノンヴィブラート。
だがほのぐらいややささくれ気味のバリバリした音は健在。
間違いなくロシアのオケであった。
13番「バビ・ヤール」のバリトンのセルゲイ・アレクサーシキンも素晴らしかった。
日比谷公会堂のようなこんなに狭い残響ゼロのホールで聴けるショスタコは貴重だ。

カルロス・リラ 来日舞台挨拶~映画"This is BOSSA NOVA"

映画”This is BOSSA NOVA”8月4日(土)渋谷Q-AXシネマ

中原仁さんのサイトのフィードをチェックしていたら、ボサノヴァ創生期にジョアン・ジルベルトやジョビンらと活動をしていたカルロス・リラとホベルト・メネスカルが映画”This is BOSSA NOVA”のプロモーションで来日中と記事があった。

これはと思い上映館のサイトを見ると8/4にカルロス・リラ氏の舞台挨拶があり、そして「演奏予定あり」と記述が!
当日の朝、歌が聴ける可能性があるということもあって、あわてて劇場にtel。
まだチケットがあるということで舞台挨拶のある夕方の上映に足をはこんだ。

劇場内は立ち見が出る程の満員。
司会の方の紹介で、カルロス・リラ氏が登場。
青いシャツにグレーのジーンズととてもラフなスタイル。
71歳とは思えないぐらいスッとしていてわかわかしい。
“Voce E Eu” “Coisa Mais Linda”の2曲を歌ってくださいました。
あたりまえだけど、すごくよかった。

映画はカルロス・リラとホベルト・メネスカルによってボサノヴァ創生期を振り返るドキュメンタリー。
ジョアン・ドナート、ジョニー・アルフ、ジョイスなども出演。ジョビン、ジョアン、ヴィニシウス、アストラッドなどの貴重な映像なども見られた。
映画の構成とかはまあ置いといて、充分楽しめる内容だった。

映画の中で「ジャズはボサノヴァでもなんでも飲み込むけど、ボサノヴァは直接ジャズの影響を受けたわけではではない。フランスのラヴェルとかドビュッシーの影響が強い」と語られていたのが印象的だった。
それから息子のパウロ・ジョビン氏が「父はラフマニノフが好きで第2協奏曲を自分なりの弾き方でよく弾いていた。」と語っていた点も。

ブラジルの大作曲家、ヴィラ=ロボスもアントニオ・カルロス・ジョビンもフランスのラヴェルやドビュッシーの和声に強い影響を受けているのは聞いたことがあった。
ジョビンがラフマニノフを何度も弾いていたというのは、初めて知ったがすごく納得がいった。

ロシア=フランス=ブラジルは音楽の琴線で繋がっている!

ドミトリー・リス(指揮)ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭2007
~民族のハーモニー~
5月2日(水)東京国際フォーラム ホール C

ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27
ドミトリー・リス(指揮)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

今年で3度目の開催となる音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへ出かけた。
この音楽祭は初めて。過去2度の音楽祭はそれぞれモーツァルト、ベードーヴェンと作曲家をテーマに開催していたためあまり興味が持てなかった。
今年はテーマが ~民族のハーモニー~ということでいろんな作曲家の作品を世界のオーケストラ、アーティストが演奏する。
公演プログラムもロシア、フランス、スペイン、北欧などの作曲家の作品など、音楽祭が行われる5日間にまとめて聴くことができる。
その中で、僕は本日のラフマニノフの「交響曲第2番」、少し間をおいて5日のラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」、6日のフォーレの「レクイエム」、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」の4公演のチケットを購入。
1公演あたりチケット料金も2000円程でお手軽だ。

で、本日のラフマニノフ、交響曲第2番。
ドミトリー・リス&ウラル・フィルというのは、ここ最近メジャー・レーベルからCDを発売しておりよく目にするようになったコンビ。
ウラル・フィルというのはロシアのウラル山脈の麓の街、エカテリンブルクという工業都市のオケだという。
いわゆる「ロシアの地方オケ」という意味ではどんな音がするのかとても興味があった。

演奏はとてもすばらしく、うまいオーケストラだった。
「地方オケ」なんて言い方がとても失礼な感じがするほど。
指揮者のリスも第1楽章から早めのテンポで小気味よく聴かせていく感じ。
とても見通しの良い、わかりやすいラフ2でした。
第3楽章のホルンのややほの暗い音色と木管セクションの音色がうまくブレンドされるあたりが特に素晴らしかった。
オーケストラ全体の音色としては特徴はない感じ。毎度ロシアオケに期待する金管セクションのビブラートもほぼゼロ。
何の情報もなしに聴いたらロシアのオーケストラだとは思わないかもしれない。それぐらい洗練された音色のする団体でした。
個人的には、もっとやんちゃな感じのするロシアオケを期待していたかも。
ちょっと1杯ひかっけて来ちゃいましたって感じの赤ら顔したでっぷりしたおっさんがトランペットかかえて出てくる、みたいな(笑)

それから国際フォーラムって何度か他のライヴで聴きに来てはいるけどクラシックはすこし厳しいかもしれません。
ホール Cでも響かない。結構デッドでドライな感じの音色。

アーノルド・カーツのラフマニノフ

ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27

アーノルド・カーツ(指揮)
ノヴォシビルスク・アカデミー交響楽団

ラフマニノフの交響曲第2番はこないだスヴェトラーノフで書いたばかりだが素晴らしいCDがあったので再び。

ロシア・シベリアの都市ノヴォシビルスクのオーケストラ、ノヴォシビルスク・アカデミー交響楽団のラフマニノフ。
新譜で何故こんな地方都市のオケのCDが出ているのだろうと不思議に思いつつもとても気になっていた。
指揮者のアーノルド・カーツ氏は50年にもわたってこのオーケストラの音楽監督を務めている超ベテラン。
このコンビのCDはタネーエフの交響曲第4番を1枚だけ所有していて、とても力強い素晴らしい演奏をしていたのでとても期待して購入。

演奏はロシアのオーケストラらしい渋みのある音でありながらも非常に丁寧に歌うような音楽が展開されている。
スヴェトラーノフのラフマニノフとは一味も二味も違う演奏。
のっぺりとした、それでいて味のあるトランペット、くぐもったほの暗い音色にヴィブラートのかかったホルン、柔らかに歌う木管群、そしてシベリアの曇り空(見たことはないが想像)をおもわせる弦楽。
これは2005年の録音なのだが、まだロシアらしい音を持ったこんなにすごいオーケストラがあるということに嬉しくなった。
録音も素晴らしく(再生機器を持っていないのだがSACD)各楽器の音色がきちっととらえられている。
こんなに細部のパートがはっきり聴こえるラフマニノフの交響曲第2番は初めて。
例えば第1楽章後半の盛り上がり部分のティンパニとシンバル・大太鼓の打ち込み部分のリズムなど、こうなっていたんだと、新たな発見も多い。
同時収録のボヘミア奇想曲ではさらにこのオーケストラの持ち味であるロシアらしいサウンドが炸裂する名演!

だがしかし。
いろいろ検索をしていたら、指揮者のアーノルド・カーツ氏は今年の1月22日に亡くなっていることがわかった。
こんな名演に出会えて、ここのところ嬉しくて毎日聴いていただけにとてもショックだ。
アーノルド・カーツ氏なき後も、この素朴でありながらもロシアの大地を思わせる味わい深いサウンドが、このオーケストラからいつまでもなくならないことを祈りたい。