タグ : Rhodes Electric Piano

ジョアン・ジルベルト/AMOROSO (1977)

ジョアン・ジルベルト
AMOROSO (イマージュの部屋)

ジョアン・ジルベルトの1977年作品、「AMOROSO」。
トミー・リピューマ/プロデュース、クラウス・オガーマン/オーケストラ・アレンジによるアメリカ録音。

トミー・リピューマで僕が思い出すのは、ニック・デカロ、マイケル・フランクスなどの70年代のあの音。
ここでは、ジョアン・ジルベルトの声とギターをやさしく包み込むような繊細で緻密なアレンジとミックスがなされている。
微妙に乾いた響きのストリングスを中心にFender Rhodes Pianoとフルートによる控えめなオブリガードが非常にセンスよく散りばめられている。
ジョアン・ジルベルトに限らずバックのオケは必要?不要?などと、議論されることが多いが、僕はわりとこいうったわかりやすくカラフルなサウンドは好きだ。
なくても良いのかもしれないが、ない方がいいというケースはそうはないと思うし。

で、内容はというとガーシュインの「’S Wonderful」に始まり、先日のライブでも演奏された「Estate」「Tin Tin Por Tin Tin」、メキシコ時代の「Besame Mucho」そして後半は「Wave」に始まるAntonio Carlos Jobimの名曲並ぶ。
中でも僕は「Estate」がとても好きだ。
調べてみると、意外にもこの曲はイタリア人のブルーノ・マルチーノという作曲家の作品で、よく聴いているとジョアンはイタリア語で歌っている。
てっきりポルトガル語だと思って聴いていた。
でも愁いを含んだ甘く切ないメロディがいい。

そして「Wave」。
ちょっと早めのテンポでジョアンの歌とギターのバチーダが心地よい。
そしてこれはオーケストラ・アレンジも素晴らしい。特にイントロなんて最高。
ジョビンのアルバム「Wave」もオガーマンがアレンジをしていたっけな。
ちょうどボサ・ギター教室で「Wave」で苦戦し何度も聴いたトラックでもある。

雨を見くびるな/キリンジ

「梅雨明け 大幅に遅れる見通し」だそう。
なので、タイトルに雨がつく琴線トラック、キリンジの「雨を見くびるな」。
1998年発表、キリンジのメジャーデビュー1stアルバム「ペイパー・ドライバーズ・ミュージック」から。

キリンジは堀込高樹、堀込泰行の兄弟からなるユニット。
この人たちの音楽を初めて聴いたのは、吉祥寺のタワーレコードのインディーズコーナーだった。
インディーズなんだけれど、キリン地(その時のマキシのジャケ)の看板が壁についていて結構目立っていて何故か気になってリスニングコーナーのヘッドホンをかぶったのがきっかけ。
聴いてみて、とんでもない変態が出てきた!ととても嬉しい気持ちになったのをおぼえている。
で、その後まもなくメジャーデビューでこのアルバムをリリースしたわけだ。

キリンジの音楽って、いろんな音楽やアーティストの影響が複雑に入り混じって聴こえるが、それらはきっちり消化されて彼らの色に染められている所がすごい。
作詞&作曲はそれぞれが行うが、弟の泰行作品の方がカントリー調などちょっと明るめの楽曲が多く、兄の高樹作品の方はちょっとしっとりしてJazzyな曲調が多いかな。
僕個人的にはお兄さんの曲が結構好き。
でも共通しているのは、ちょっとひねくれた?ねじれた感じのメロディラインとコード進行、それから歌詞。

「雨をみくびるな」の歌詞もいきなり出だしから”あぁ、口づけて責めてみても カエルの面にシャンパンか”と何のこっちゃ?である。
が、聴き進んで行くうちにいろんな解釈ができたりして楽しいのである。
メロディも転調に転調を重ねてねじれるように進んで行く。以前に書いたギルバート・オサリヴァンの「Alone Again」のように。

それから忘れてならないのは、Producer、Arranger & Other Instrument & Treatments(トリートメント?)の冨田恵一氏のお仕事。
ものすごく緻密に計算されたアレンジ。キリンジが作り出す楽曲と冨田恵一のアレンジでミラクル・キリンジ・サウンドが成立しているといっても過言ではないと思う。
バックミュージシャンの技も聴きどころ。
いったんハマるとなかなか抜け出せないのが、このキリンジのミラクル・ワールドだ。

viralata/ANTONIO ADOLFO

アントニオ・アドルフォ。ブラジルを代表する作曲家、プロデューサー、キーボード・プレイヤー。
以前に、60年代に活動していたバンド「ブラズーカ」 について書いたが、これはアドルフォ氏が70年代に自ら立ち上げた自主運営レーベルからリリースしたアルバム。
1979年発表「viralata」。

音的には、彼のプレイするFender Rhodes Pianoとフォーン・セクションが絡み合う、ブラジリアン・フュージョン。
いわゆるフュージョン・サウンドを知っている世代の人なら、とても懐かしい気持ちになれる一枚。
そしてメロディー・メイカー、アントニオ・アドルフォ独特のポップセンスも炸裂。
メロウ/ファンキー/スムーズ、三拍子揃ったとても心地いいサウンド。
これからの季節、海辺や車の中で聴きたい一枚。
あ、車もってねーや。

Quem E Quem/Joao Donato

ブラジルのミュージシャンを代表する、もう一人の”ジョアン”、ジョアン・ドナート。
1934年生まれで、コンポーザー/アレンジャー/キーボード・プレイヤー/ヴォーカリストで今も現役。(ちなみにジョアン・ジルベルトは1931年生まれ。で今も現役!)
そのドナートの1973年発表の”Quem E Quem”。

当時40歳ぐらいだが、初ヴォーカル作品、プロデューサーはなんとマルコス・ヴァーリ。
初ヴォーカルとは思えないくらいリラックスしたクールなヴォーカルも素敵だが、なんといってもこの人の持ち味であるFender Rhodes Pianoが最高だ。
とてもグルーヴィーでころころ跳ね回るようなsoloパートが、各楽曲に散りばめられていて心地よい。
1曲目の”CHOROU,CHOROU”のギターとRhodesのユニゾンなんか、とってもスリリングでカッコいい!

2001年2002年とたて続けにリリースされたヴォーカル・アルバム”E Lala Lay-e”、”Managarroba”なんか70歳の作品!
全く歳を感じさせないクールでカッコいいヴォーカル、キーボードプレイを聴かせてくれる。音楽が進化しつづけているからすごい。
ドナルド・フェイゲンもすごいなって思うけど、それでも60歳ぐらいなのにね。
ホント素晴らしいです。

… E Deixa O Relogio Andar/Osmar Milito

ついに出た!ブラジルのコンポーザー/アレンジャー/キーボード・プレーヤーのオズマール・ミリートの”… E Deixa O Relogio Andar”(1971年作品)。
マルコス・ヴァーリのリミックス買うつもりで店にいったのに予想してなかったものが店頭に並んでいたので・・いやいやまいりました。

オズマール・ミリートの楽曲を初めて聴いたのは今から5年ぐらい前かな。
オムニバス・アルバム「Mondo Bossa」の中に2曲入ってた。
JazzyでGroovyなサウンドがたまらないのだが、さらにFender Rhodesやハモンドをプレイしていたりするから即効ノックダウン。
そしてブラジリアン・ミュージックのバイブル的存在の”Musica LocoMundo“の中でアルバムの存在を知ってからはずっと気になっていた。

音的にはコーラス系のソフト・ロック系な感じでJazzyでGroovyなピアノトリオ、そして弦楽にフルート、ホーン、そこにブラジリアンテイストが非常に相性よく絡みあった感じ。
ソフト・ロック好きにはたまらないかも。Rhodes使用率はやや低め。

実は3年程前に1974年作品の”VIAGEM”がリリース!(これは既に購入。素晴らしい内容!)その後続いてリイシューが続くかなと思っていたけど間が空いていたので、とても嬉しい。