カテゴリー : Classical Music

ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調作品27

ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ソビエト国立交響楽団(1985年ライブ録音)

ロシアン・クラシックで外せないのがラフマニノフ。
その中でもピアノ協奏曲の2番、3番などと並んで言わずもがなの超名曲、交響曲第2番。
ラフマニノフ独特の甘美で美しいメロディーが詰まった作品だが、特に第3楽章はテレビドラマで使用されたりするほど。
が、単に甘いだけではなく、ラフマニノフ特有のユニークなおどろおどろしいオーケストレーションがなされる部分や時に厳しい音楽が展開される部分があったりと、ラフマニノフのロシアン魂を垣間みることができる。

演奏はこのエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮のソビエト国立交響楽団による1985年のライブ盤が素晴らしい。
巨匠スヴェトラーノフが最も得意としたそしてもっとも愛してやまなかった特別な曲。
現在CDとなっているものの中ではこれが一番熱の入った演奏ではないだろうか。

1995年のスヴェトラーノフ&ロシア国立交響楽団(旧ソビエト国立交響楽団)来日公演時、6月9日の池袋の東京芸術劇場のプログラムがこのラフマニノフの交響曲第2番だった。
スヴェトラーノフのライヴは僕にとってこの公演が最初で最後となってしまったがすごく貴重な体験、聴けてよかった。
第3楽章がとても印象的だった。
非常にゆっくりとしたテンポではじまり、曲が進むにつれて徐々に徐々にオーケストラ全体が燃えるように熱をおびてくる。
そしてあの甘美なメロディーがややドライな響きのする芸劇いっぱいに渦を巻くように鳴り響いたときには、ほんと涙が出そうになった。
このCDを聴いていると当日の事を思い出す。
アメリカやヨーロッパの洗練された音のするオケのスカした演奏よりも、ラフマニノフはこうじゃなくっちゃ!と思う。

2年ぐらい前から始まった毎年GWに開催される音楽際「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」」
今年のテーマは~民族のハーモニー~ということでいろんな作曲家の曲を聴けるのだが、その中にこのラフマニノフの交響曲第2番もあった。
演奏は最近CDショップでよく見かけるロシアオケ、ドミトリー・リス(指揮)ウラル・フィルハーモニー管弦楽団。
これは聴いておかなくてはということで、チケットを購入。S席で2500円!
今から楽しみだ。

亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル


亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル

パリ音楽院管弦楽団
ルシアン・テヴェ(コル)
アンドレ・クリュイタンス(指揮)

CDショップをフラフラしていてびっくりしたのだが、クリュイタンスのラヴェル管弦楽曲集が980円で売られていた。
しかも2枚組。ラ・ヴァルスもクープランもスペイン狂詩曲も入ってる。
そして亡き王女のためのパヴァーヌも。

このクリュイタンスの「亡き王女の~」は特別な印象がある。
まだ高校生ぐらいの頃、FMか何かで初めてこの演奏を聴いたとき、出だしのホルンソロの音色にとても驚いたのだ。
甘い音色にこまやかなやわらかいヴィブラート。
当時は全然知らなかったが、パリ音楽院管弦楽団に録音当時在籍していたルシアン・テヴェというホルン奏者の演奏なのだそうだ。
そうそう正確にはホルンではなくてcor(コル)(通常のバルブ式のホルンではなくピストン式の楽器)で演奏されているらしい。
少し明るめの音色に美しいヴィブラートはそのためか。
どうも僕はヴィブラートのかかったホルンの音色に弱いようだ。
大好きなロシア・オケのホルンのヴィブラートとはまた違ったおもむきなのだがすぐに反応してしまう。

その昔、フランスのオーケストラではホルンをコルで演奏していた時代があったらしい。
このCDが録音された1960年代にはまだ使用されていたということか?
そいういうお国柄みたいなものがどんどんなくなっていくのはホントに残念。

フェドセーエフのボロディン

アレクサンドル・ボロディン
歌劇「イーゴリ公」序曲、だったん人(ポロヴェッツ人)の踊り
交響詩「中央アジアの高原にて」
交響曲第2番ロ短調

ウラジミール・フェドセーエフ(指揮)
モスクワ放送交響楽団(1991年録音)

アレクサンドル・ボロディン(1833-1877)。
「ロシア5人組」の中の一人でムソルグスキーやリムスキー=コルサコフらと同様に民族色の濃い作品を残した作曲家。
代表作は「だったん人の踊り」だと思うが、この楽曲中のメロディは映画やCMやポップミュージックの世界でも頻繁に使用され、今でもいろんなところで耳にする。
いまだに世界中の人々に愛され続けるのは、メロディの美しさと特有のエキゾチズム、そして和声の表現方法の幅の広さが自然と人々の「心の琴線」を、ビシバシと刺激しているんじゃないかと思う。

そして交響曲第2番も美しいメロディが詰まった超名曲である。
CDの録音もわりと多い。スヴェトラーノフ、コンドラシン、チェクナヴォリアン、ゲルギエフなど。
でも、ありそうでなかなかないのが、本場ロシアオケによるこのフェドセーエフのようなタイプの演奏。

前置きが長くなったが、このCDを購入するきっかけになったのが、ラスベート交響楽団というアマチュア・オーケストラのサイト内(別館)に「ロシア音楽喫茶」 というページである。
ロシアのクラシック音楽やオーケストラのなど非常にわかりやすく紹介していて、いつもいろいろ参考にさせていただいているページだ。
ここでフェドセーエフ&モスクワ放送交響楽団のボロディンの交響曲第2番の比較的新しいCDがあることを知った。
しかも「恐ろしくローカル色が強く方言のきつい演奏」「弦や木管のベタベタなアーティキュレーション、不自然なまでにアンバランスなティンパニの轟音、雄 叫びをあげるトロンボーン、ヴィブラートをかけて歌い上げるホルン・・・と、土臭さ満載」と紹介されている。(文章表現が素晴らしい!)

これは是非聴かなくてはと思っていて、先日HMVのサイトで見つけて注文。
しばらく品切れのようだったが1ヶ月してようやく入荷したらしく昨日届いた。
それで早速聴いてみた感想は、こういうのを聴きたかったんだよ!って思える「ロシア音楽喫茶」 さんとこの紹介通りの演奏で大満足。
つい先日に聴いた2つのロシア・オケにちょっと物足りなさを感じたこともあってか、ものすごく興奮してしまった。

今年の5月、このオケを生で聴いた時、ラフマニノフ、そしてチャイコフスキーでしっかりとロシアの音を出していた。
やっぱりフェドセーエフ&モスクワ放送響(チャイコフスキー交響楽団)がロシア臭さを今に残す数少ないオーケストラなのだろうか。
でも60年代70年代の録音に比べたら確実にロシアンテイストは薄くなってきている。
が、フェドセーエフ&チャイコフスキー交響楽団にはそのままの演奏スタイルを守り抜いて欲しい!

惑星/ホルスト

最近のちょっとびっくりしたニュース。
チェコのプラハで行われた、国際天文学連合(IAU)の総会で「冥王星」を惑星の座から外すことを多数決で承認した。
理由は惑星として認めるには「小さすぎる」からだそう。
最初は確か、今までの惑星に3つ新たに追加されるはずだったのに。
まあまあ、でも「冥王星」が発見された当時、惑星にするかどうかで結構もめたみたいだけれど。

このニュースを聞いて、気になったのがイギリスの大作曲家グスターヴ・ホルスト(1874-1934)の組曲「惑星」。
たしかこの曲には作曲当時、まだ発見されていない惑星(曲)があったはず。
CDを引っぱり出してみると、「冥王星」がない。
冥王星が発見されたのは1930年。その時、まだホルストは生きていたが作曲はされなかったんですね。
1-「火星」2-「金星」3-「水星」4-「木星」5-「土星」6-「天王星」7-「海王星」の全7曲からなる組曲。

それにしてもこの曲はテレビCMなどよく耳にすることが多い。
特に「木星」。最近でJ-POPのアーティストも歌詞をつけて歌っていたりする。
多分この組曲の中では「木星」が一番良く知られていると思うのだが、僕が好きなのは、この組曲の最初を飾る「火星」。
最初は静かに弦がコル・レーニョ奏法(弓の反対側で弦を叩く)で不気味に4/5拍子のリズムを刻んでいく。
その上を金管楽器が主題を奏でる。徐々に激しさを増して猛烈なクレッシェンドの後、4管編成の大オーケストラが火を噴くような強奏でリズムを刻む。
まるでSF映画のサントラのような(コレは逆だな。「火星」をお手本に作曲されている?)爆裂系の音楽。
いちばんわかりやすいし、カッコいいし。
これ聴くとなんかすごくスッキリした気分になるしね。

ブラジル風バッハ第3番/ヴィラ=ロボス

ロベルト・ミンチュク(指揮)
ジャン=ルイ・シュトイアーマン(ピアノ)
サンパウロ州立交響楽団

ブラジルを代表する大作曲家、エイトール・ヴィラ=ロボス(1887-1959)。
バキアーナス・ブラジレイラス(ブラジル風バッハ)、ヴィラ=ロボスの代表作。
第3番は「ピアノとオーケストラのための」である。
以前にヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲 がすごくいい!と書いたのだが、言ってみればこの第3番もピアノ協奏曲的な作品。で、やっぱりすごくいい。

「ブラジル風バッハ」というタイトルの通り、やっぱりブラジル風のバッハなのだろうな。
聴いてみると確かにバッハ的なプレリュード、アリア、トッカータ・・・なのか?
ちょっとバッハっぽいような気がする。
しかし、和音やオーケストレーションはかなり肉厚。
確かにこれはブラジルだな、という感じ。
でもやっぱり、メロディが美しい、ピアノパートがいい、哀愁のメロディーもある!
やっぱりブラジルの音楽って何かとても惹かれる。

それで、演奏は地元ブラジルのオケ、サンパウロ州立交響楽団。
ブラジルのオーケストラは初めて聴くが、とても現代的な響きのする団体だ。
でも重心はしっかりしているし南国オケという事で期待したくなる粘っこさもいい感じでとても好きな音だ。
演奏はわりとサバサバすっきりした現代的な演奏。
だからとても聴きやすいのかも。