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Henri Dutilleux(アンリ・デュティユー)

dutilleux

アンリ・デュティユー:管弦楽曲集成
ハンス・グラーフ:指揮
フランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団

アンリ・デュティユー(1916年生まれ)、現代のフランスを代表する作曲家。
なぜ、今このタイミングでデュティユーなのか自分でもよくわからんが、ふとしたことがきっかけで聴くことになった。
そのアルバムがこのハンス・グラーフ指揮によるボルドー・アキテーヌ管弦楽団の集成なのだが最初に収録されている「交響曲第2番」から一気に音の世界にひきこまれた。

いわゆる現代音楽(メロディーと調性のない非常に難解なやつ)が続くのかと思いきや、ドビュッシーなどのフランス的色彩に富んだ非常に美しい音楽が展開される。
響きは現代音楽的で調性はあいまいなのだが、メロディーはあり和声がとっても洒落ていて響きがカッコいい。
そしてリズミックでメロディック。音楽が心地よく流れて行く。

以前、武満徹の「そして、それが風であることを知った」を聴いたときと同じような感覚。
この曲もドビュッシーの同編成(フルート、ヴィオラ、ハープ)のソナタの影響が色濃く出ている作品でとっても美しい曲でした。
ただ、このデュティユーの場合、比較的編成の大きい「管弦楽」によるもの。
静寂の中から霧のように沸き立つ弦楽の神秘的な響きから、金管楽器やティンパニや銅鑼、チェレスタなども伴う外向きの開放的な大管弦楽の響きまで楽しむことができる。

このグラーフ指揮のボルドー・アキテーヌ管弦楽団は初めて聴いたがとってもいい。
聴いていて楽しいし気持ちがいい。
なんかすっきりするし。これはいいですな。

そして、それが風であることを知った / 武満徹

武満徹(1930-1996)。現代音楽における日本を代表する作曲家。
僕は、いわゆる現代音楽が苦手だ。しかし現代音楽的なものはわりかし好きだったりする。
オネゲルやショスタコーヴィチのような調性感のなさには心地よささえ感じる。
で、武満徹はずっと避けてきたような感じがする。
多分、初期の作品「ノヴェンバー・ステップス」あたりを聴いたショックが大きすぎたのかもしれない。

しばらく前にNaxosレーベルから出た武満徹の「そして、それが風であることを知った」は何故だか気になって購入したのだが、1、2回聴いてそのまま棚にしまい込んでしまった。
だが先日図書館のCDライブラリーで見かけた「武満徹 響きの海 室内楽全集」の中の「そして、それが風であることを知った」を聴いて、この響きの美しさと無調の音の世界に引き込まれた。

フルート、ヴィオラ、ハープによる15分程の曲で1992年に作曲された作品なので後期の作品だ。
フランス印象派の作曲家ドビュッシーを思わせる和声の美しさもさることながら個々の楽器の掛け合いが絶妙だ。
このアルバムには「海へ」というアルト・フルートとハープによる曲も収録されているのだが、こちらも美しい曲だ。
さらには「すべては薄明のなかで ―ギターのための4つの小品―」というクラシック・ギターのための作品がある。
今の僕にはスペインの作曲家やブラジルのヴィラ=ロボスのギター作品に対して少し抵抗があるのだが、この武満徹によるギター作品はすんなりと聴くことができた。
これも新しい発見。いろいろ聴いてみるものですね。

別宮貞雄/交響曲第1番(1961)

湯浅卓雄
別宮貞雄:交響曲第1番(1961)

◆アイルランド国立交響楽団
湯浅 卓雄(指揮)◆

Naxosの日本作曲家選輯から別宮貞雄(1922ー)【べっくさだお】日本の作曲家による交響曲。
今まで日本の作曲家の近現代の作品は全く聴いたことがなく、僕は初めてだ。
日本の作曲家というと、どうしても武満徹のイメージが強く旋律がはっきりしてなく調性のない音楽がほとんどだろうという先入感をもっていた。
でもこの先入観はかならずしもハズレているわけではないのではと思う。

20世紀初頭から前衛音楽(無調で実験的な傾向にある音楽)というものに注目があつまり評価が高まった。いくら旋律の美しい曲を書いても、そんなの古い、もっと新しい今までにない音楽を。
そういう傾向は世界的にそうであって、つい最近までそうだったようだ。
このブログでこの間とりあげたイギリスの作曲家フィンジ という人もそういう流れの中で、忘れられていった作曲家でそういう人はかなり沢山いるらしい。

前置きが長くなってしまったが、この別宮貞雄の交響曲はどうかというと、旋律はしっかりあってロマンティックで美しく、サウンドもダイナミックでカッコいい。
パリ音楽院時代に影響を受けたフランス仕込みの、色彩的なオーケストレーションも特徴的だ。
そして解説によると、当時の前衛音楽に反発し「前衛音楽に認められるリズムやテンポの煩雑化も、せっかく到達したポリフォニーの喜びを人間の耳から奪うだけ、云々」など主張し続けたのだそうだ。

この交響曲第1番を聴いたとき、第1楽章の最初の部分が美しくすぐに気に入ってしまった。
少しマーラーやアルヴェーン的なような響きがあったり、ダニー・エルフマンのバットマンのサントラを思い出したり、ドビュッシー?なんて思ったり聴いていてとても面白い。
交響曲は全部で6曲、協奏曲・器楽曲などいろいろあるようなので、これから聴いてみたい。

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