今年はグスタフ・マーラー(1860-1911)の没後100年ということでCDショップや書籍で特集が組まれていたり、今月から新しい映画の公開もあるらしい。
もう20年以上も前の全集だけどシノーポリ指揮の交響曲全集(12枚組)が3500円ほどで並んでいたので購入、ここ数日ずっと聴いている。
最近円高のせいもあって、CDが安く買えるのはとても嬉しい。

さて、交響曲第5番はマーラーの交響曲の中でも人気の高い曲で、特に第4楽章のアダージェットはハープと弦楽による非常に美しい楽章。
ルキノ・ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」で使用され有名である。
ある種病的で妖しげな色気のようなものが漂う。
ハープのアルペジオにのってヴァイオリンがしっとりと歌い始め静かにゆっくり高まっていくのだが、終盤の小休止する部分でヴァイオリンとヴィオラが高音から低音にかけてpppでグリッサンドする箇所があるのだが、初めて聴いた時背筋がゾゾっと、こりゃいわゆる一般的なクラシック音楽と違うなと思った。
というか、ここまで聴き進む前からわかってることではあるが・・。

このアダージェットを聴いているとカエターノ・ヴェローゾのスローな弾き語り(LindezaとかLua Lua Luaとか)とある種の共通した香りのようなものを感じる。
この曲をカエターノがギターを爪弾きながら歌ったとしてもきっと何の違和感もないだろう。
決してただ甘いだけの音楽ではないのだが聴いていると「脳内モルヒネ」がたくさん分泌されるような麻薬的要素があるのかもしれない。

ちなみに、このアダージェットの僕的ベストアルバムは、
ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1982年録音)だ。
こちらもマゼールがかなり根知っこく病的なまでにフレージングやアーティキュレーションを拘り抜いて録音した名盤だ。
僕はこれが頭に摺り込まれているせいか、他の演奏がどうもあっさりして聴こえる。。
近々廉価版で国内盤がリイシューされるらしい。リマスタリングされていると嬉しいのだがどうかな。