武満徹(1930-1996)。現代音楽における日本を代表する作曲家。
僕は、いわゆる現代音楽が苦手だ。しかし現代音楽的なものはわりかし好きだったりする。
オネゲルやショスタコーヴィチのような調性感のなさには心地よささえ感じる。
で、武満徹はずっと避けてきたような感じがする。
多分、初期の作品「ノヴェンバー・ステップス」あたりを聴いたショックが大きすぎたのかもしれない。

しばらく前にNaxosレーベルから出た武満徹の「そして、それが風であることを知った」は何故だか気になって購入したのだが、1、2回聴いてそのまま棚にしまい込んでしまった。
だが先日図書館のCDライブラリーで見かけた「武満徹 響きの海 室内楽全集」の中の「そして、それが風であることを知った」を聴いて、この響きの美しさと無調の音の世界に引き込まれた。

フルート、ヴィオラ、ハープによる15分程の曲で1992年に作曲された作品なので後期の作品だ。
フランス印象派の作曲家ドビュッシーを思わせる和声の美しさもさることながら個々の楽器の掛け合いが絶妙だ。
このアルバムには「海へ」というアルト・フルートとハープによる曲も収録されているのだが、こちらも美しい曲だ。
さらには「すべては薄明のなかで ―ギターのための4つの小品―」というクラシック・ギターのための作品がある。
今の僕にはスペインの作曲家やブラジルのヴィラ=ロボスのギター作品に対して少し抵抗があるのだが、この武満徹によるギター作品はすんなりと聴くことができた。
これも新しい発見。いろいろ聴いてみるものですね。