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林哲司とJapanese AOR~杉山清貴&OMEGA TRIBE

1980年代、僕がまだ中学生の頃、日本の歌謡曲はいわゆるフォーク系の人たちと、少しだけ洋楽テイストのはいったニューミュージックといわれるジャンルがほとんどだった。
そんな中、とても衝撃的だった人たち、それが杉山清貴&OMEGA TRIBEだった。
バンドという形をとりながらも作・編曲家とアーティスト(実演)が別、というスタイルで当時は結構多かったが、そういう中でもアルバム、サウンドコンセプトがズバ抜けて洗練されていた。
もちろん、この人たちはそれが狙いでそういうスタイルをとっていたわけだ。
作編曲を手がけていたのがヒットメーカー林哲司氏。
アメリカでの音楽活動から帰国後、上田正樹の「悲しい色やね」とか中森明菜の「北ウィング」、菊池桃子などあげればきりがないほどの作品を手がけていた超売れっ子の作曲家だ。
他の作曲家やアレンジャーが創る音とは明らかに違い、その洗練されたサウンドは聴けばすぐわかるというぐらい目立っていた。
あと、非常に多作家で年間に数百曲創っていた時期もあるようで、あの曲に似ているだとか、超有名曲のパクリじゃないか、などといろいろ言われたりする曲も結構ありました。
でもサウンドはシカゴばりのホーンセクションにチョッパーベース、ちょっと軽めのキラキラしたRhodesピアノ、つややかなストリングス、厚みのあるスネア、タムの音。
どれをとっても完璧なサウンド、アレンジ、レコーディング。
当時の音楽雑誌で彼らのサウンドをはニューミュージック+フューションなんて表現をしてたっけな。
6th、9th、11th、や分数コードなど当時の歌謡曲には出てこないテンションコードを多様したちょっと大人なサウンドが新鮮だった。
特に-5(フラットファイブ)というコードは胸にキュンとくる切ない感じで、多用されていた。

ここ何年かで元祖シティーポップとかJapanese AORなどと一部で再評価されてますね。
洋楽テイストを持ち込んだ作編曲家は他にもたくさんいるけれど、80年代の日本の歌謡曲の大きな流れはやっぱこの人なくしては語れないんじゃないかと僕は思うんですが。
で、この杉山清貴&OMEGA TRIBEの「River’s Island」というアルバム、僕の中ではこれが最高傑作ではないかと思います。
この後の、「NEVER ENDING SUMMER」というアルバムもよかったですけど。
当時、中学生だった僕に、音楽の気持ち良さを教えてくれた大切な1枚。