カテゴリー : Brasilian Music

Esa Dia Va A Llegar / Agustin Pereyra LucenaのオリジナルLP

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ついに昨年2014年は一度も更新をせずに過ぎてしまった。
止まってしまいそうなブログだがまたぼちぼち書いていこうと思う。

昨年は結構な量のレコードを買い込んで聴いた。昨年はほとんどそれしかしていないぐらいで、ある意味これは病気というか中毒ですね。
そんな中での収穫の一つとしてアグスチン・ペレイラ・ルセーナの名盤「Esa Dia Va A Llegar」のアルゼンチンオリジナルLP(cabal LPN-11005)を入手できたこと。
このアルバムは以前ここで書いたように本当に素晴らしくて私のお気に入りの一つです。ジャケはいわゆるGatefoldという見開きですが薄くてペラペラしています。内側の若きアグスチンの姿がカッコイイです。ヴァイナルもわりとペラペラですが音は海外盤のレコードの特徴ともいえるナチュラルな低中域で各楽器の分離がよいとても聴きやすく生き生きしたサウンドです。すぐにCDと比較したくなるのですが、その差も歴然でやっぱりレコードが瑞々しくていい。いちいちレコードで何度も聴いてやろうかと思います。

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Sebastiao Tapajos; Brasil/El Arte de la Guitarra

セバスチャン・タバジョスの1971年ブエノス・アイレス録音のアルバム
僕はてっきりアルゼンチンのギタリストだと思い込んでいたのだが、活動の拠点がアルゼンチンだったようで生まれはブラジルのギタリストとのことだった。
先月出かけたライブ「 カエターノ・ヴェローゾ&バーデン・パウエルを歌う」でギタリストの中西さんがタバジョスの曲を1曲 お弾きになられたのを聴いてからアルバムを聴いてみたいと思っていた。
ちょっとのぞい中古ショップで840円でゲット、非常についている。

バーデン・パウエル、ヴィニシウス、A.バホーゾ、A.ジョビン、E.ナザレー、そしてタバジョスのオリジナルなどアルバムのタイトル通りブラジル名曲選的な内容。
ヴィニシウスの「ユリディスのワルツ」も入っている。
70年代のバーデンもそうだがギターのカラカラした音色がいい。

Baden Powell / Images on Guitar(バーデン・パウエル/イメージズ・オン・ギター)

バーデン・パウエル(1937-2000)。ブラジルが生んだ孤高のギターリスト、コンポーザー。
ここのところよく聴いているのだが明日9月26日はちょうど命日にあたる。

ボサノヴァという音楽の存在を知ったのとほぼ同じタイミングで初期の傑作「ア・ヴォンタージ」を聴いた。
超絶的技巧を駆使した「イパネマの娘」や「ビリンバウ」「コンソラソン」などブラジル音楽の奥深さみないなものを感じてショックを受けたのを憶えている。

イメージズ・オン・ギター」は1971年のアルバムで60年代のバーデンよりも演奏スタイルが少し落ち着いてきた頃の作品といわれているが、バーデン特有の節回しやフレージングなどをじっくり聴くことができるアルバムだと思う。
1曲目の「Ate eu」は女性ヴォーカルとバーデンのスキャットによる哀愁漂うナンバー。
このアルバムに漂う独特の雰囲気を印象づける1曲。
2曲目の「Petite Waltz」はアフロ・サンバ調の高速ワルツ。途中テンポがガラッと変わるところがいい。
5曲目の「Blues a volonte」もバーデンと女性のスキャットの掛け合い、そしてBluesyなギターは超カッコいい。
他にも聴きどころはあるのだが、やっぱりはずせないのがバーデンお得意の哀愁のナンバー「Sentimentos」。
「O Astronauta」や「Tempo Feliz」と同じラインの曲だと思うがとても好きな曲。
アグスチン・ペレイラ・ルセーナの「Despues De Las Seis」なんかもこの辺りのバーデンの作品にインスパイアされて作られた曲ではないだろうか。

カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre Grupo)

カルロス・アギーレの2008年作品。
こないだ書いたクリーム色のアルバムもジャケットに水彩画が入っていてとても凝った作りだったが、このアルバムも同様に目の形にくり抜かれた窓から瞳を構成する3枚の紙が顔を出す作り。
真ん中に大きさの異なる穴のあいた2枚のライナーとやはり水彩の絵が1枚入っている、とっても素敵だ。

クリーム色のアルバムよりも曲の規模が大きくなって10分を超える曲が3曲、6分ぐらいの曲が2曲、1分ちょっとの曲が1曲という内容。
スキャットを含むインストゥルメンタル中心の内容だが、どの曲も美しいメロディーと和声で溢れている。
ピアノ、ギター、ベース、パーカッションに加えてマンドリン、チェロ、フルートそしてバンドネオンなどが加わっている。
が、音が入り乱れて濁ることは一切なくシンプルに聴こえながらも、おそらくかなり複雑な音と音が響き合う奇跡のような瞬間がいたるところにある。

お気に入りは4曲目の「Casa nueva」。
僕ら日本人の心の琴線にも触れる懐かしいようなちょっと切ないしっとりした美しいメロディが印象的。
中間部のピアノのリズムとバンドネオンはピアソラを彷彿とさせる。

タチアナ・パーハ & アンドレス・ベエウサエルト(Tatiana Parra & Andres Beeuwsaert / AQUI)

タチアナ・パーハ & アンドレス・ベエウサエルトの「AQUI」。
アンドレス・ベエウサエルトはアナ・セカ・トリオというアルゼンチン・フォルクローレの代名詞的存在のユニットのピアニスト。
タチアナ・パーハはブラジルはサンパウロ出身でアンドレスの前作「DOS RIOS」(これもすごくよかった!)やアカ・セカ・トリオのアルバムなどにも参加している女性ヴォーカリスト。

ここのところ、アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレといわれるくくりの音楽(まだよくわかっていなのだが)を聴いている。
先日書いたカルロス・アギーレを聴いて以来このあたりの音楽に共通する独特の浮遊感と和声の心地よさに完全にはまってしまった。
浮遊感といってもミナスの音楽にある浮遊感とはまたちょっと違った空気感。

アルバムはアンドレス・ベエウサエルトのオリジナル曲を中心にカルロス・アギーレの楽曲やエドゥ・ロボの「Corrida de Jangada」(エリス・へジーナ「IN LONDON」の1曲目)そしてチャールズ・チャップリンの「ライムライト」までいろいろ。
だが、どの曲も音と音がぶつかり合ってゆっくりと解け合いながら広がっていくような自然な響きに満ちている。
MPBやボサノヴァなどを聴き慣れた耳にもすんなりと入ってくるとっても心地よい音楽。
アンドレスのピアノと息のぴったりあったタチアナのスキャットが素晴らしい。

BRAZILiAN OCTOPUS

先日書いたアミルトン・ヂ・オランダ & アンドレ・メーマリの「gismonti pascoal」で書いたエルメート・パスコアルの関連作品ということになるが、1970年に発表されたブラジルのインストバンド「ブラジリアン・オクトパス」の唯一のオリジナルアルバム。
カエターノらとトロピカリズモを支えたギタリスト、ラニー・ゴルディンが中心となって結成されたバンドでこの中でエルメート・パスコアルはヴィブラフォンで参加している。

ジャケットからもわかるがピアノ、オルガン、ギター、フルート、サックス、ヴィブラフォン、ベース、ドラムスからなるかなりユニークな8人編成のバンド。
変わっているのは編成だけでなく音楽がとっても面白い。
60年代特有のドラムパターンやオルガンのバッキング、そしてヴィブラフォンのサウンドはまさにモンド系ラウンジミュージックだ。
フルート、サックスや個々の楽器の和音の積み方など緻密に計算されていて素晴らしい。
それなのに曲は決してこむずかしくなく全篇をとおして漂っているほのぼのした雰囲気がなんともいえずいい。
ガブリエル・フォーレ(1845-1924)の「パヴァーヌ」なんかも取り上げているのだが最初聴いた時は他の曲とあまりにもなじんでいて気がつかなかった。(フォーレはいわゆる近代のフランスの作曲家だが和声の点でブラジルの音楽との接点も多いようだ。)
デオダードなんかも同じフランスのラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を取り上げたりしているしこのあたりの音楽はきっと近いものがあるに違いない。
1曲が2〜3分ぐらいで曲調もバラエティに富んでいてとても楽しいアルバムだ。

ちなみにこのアルバムLP市場でがかなりのお宝盤のようでかなり高額で取引されているらしい。
今こういう時代のなか南米系音楽は特にリイシューが活発に行われていて、こういう貴重な音源を手に出来るのはとても幸せなことだと思う。

アミルトン・ヂ・オランダ & アンドレ・メーマリ(gismonti pascoal / Hamilton De Holanda & André Mehmari)

ブラジルのバンドリンの名手アミルトン・ヂ・オランダとピアニスト、アンドレ・メーマリによるブラジルの作曲家エグベルト・ジスモンチとエルメート・パスコアルへのオマージュ、作品集。

バンドリンの音色がすごくいい。
バンドリンの素朴な音色で奏でられる美しいメロディと浮遊感のあるピアノの和音が心地よい。
それから当然なのかもしれないけど曲がまたすごくいい。
コロコロと跳ね回るような超絶的プレイが聴ける曲もいいが、作曲者エグベルト・ジスモンチ自身も参加している「Fala De Paixao」なんか、どこか広い草原のような場所でそよ風に吹かれているようなそんな感じの心地よさ。
ずっと聴き続けていたくて何度も何度もリピートして聴いた。

バンドリンって同じ南米の楽器のカヴァキーニョ(形も音色もかわいらしい)の兄貴分みたいに思っていたが、マンドリンと見た目も奏法もほとんど同じらしい。
ブラジルではショーロなどで使われる楽器だがこのアルバムを聴いてこの楽器にも興味がわいてきた。

エグベルト・ジスモンチもエルメート・パスコアルもほとんど聴く機会がなかったがこのアルバムでこういう形で聴くことができてとてもよかったと思う。

セバスチャン・タパジョス/マリア・ナザレス/アルナルド・エンリケ(Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques)

アルゼンチンのギタリスト、セバスチャン・タパジョスが女性ボーカリストマリア・ナザレスとアルナルド・エンリケと1973年に録音したアルゼンチン産ボサノヴァアルバム。
ジャケットが印象的なので何年か前にタワレコ渋谷のブラジルコーナーで平台展開されていたのを憶えている。
先日国内盤が出ているのを見かけて購入。

セバスチャン・タパジョスのキレのあるギターにマリア・ナザレスの可愛らしいボーカルがいい。
それからアルナルド・エンリケの鼻にかかった独特の声が僕は好きだ。
「おいしい水」などのボサノヴァメドレーではじまり、バーデン・パウエル、シコ・ブアルキ、ドリヴァル・カイミ、トッキーニョ、エドゥ・ロボなどのカヴァーと途中オリジナルが散りばめられている。

セバスチャン・タパジョスのオリジナル「Sambachiana」はマリアとアルナルドのヴォーカルの掛け合いが楽しい高速Bossa。「Vida Burguesa」のマリアの早口なヴォーカルもなんとも可愛らしい。

アルナルド・エンリケのボーカルは同じくセバスチャン・タパジョスとの録音で「SO DANCO SAMBA」というアルバムもあってこちらもかなりいい。
こちらはローズ・エレクトリック・ピアノが多用されており僕的にはこちらもかなり好き。

Carla Villar canta Toninho Horta(カルラ・ヴィラール)

先週の3連休に新宿のディスクユニオンで購入したCD−R。
ブラジルはミナスの女性ヴォーカリスト、カルラ・ヴィラールによるトニーニョ・オルタの作品集。
ユニオンのサイトによるとミナスのミュージシャンのあいだではよく知られたベテランヴォーカリストらしい。

「ほとんどトニーニョ・オルタです」とのお店のレコメンドどおり、あの独特の浮遊感たっぷりのとっても素晴らしい内容で今週はずっと聴きっぱなしだった。
全篇美メロの連発でアレンジや音づくりもローズ・エレクトリック・ピアノやガット・ギター、トレモロ・ギター、ストリングスパッドなどとやわらかなヴォーカルが相まってとっても心地よい。

Claudio Faria/O Som Do So(クラウヂオ・ファリア)

ブラジル、ミナス・ジェライスのSSW、クラウヂオ・ファリア。

結構前にタワレコの試聴機で聴いて気になっていたのだが最近ようやく購入。
1969年ベロオリゾンチ生まれということで自分と同じ歳だ。
昨年よく聴いた「Gunabara」のフレッヂ・マルチンスもそうだが、ブラジルの中堅ミュージシャンの新譜をこうして日本で聴けるというのは本当に嬉しい。
なによりもアルバムの内容が素晴らしくて中堅の底力みたいなものを見せつけてくれるようでなんだか応援したくなる。

アルバム全体を通して感じる清涼感、それからミナスのミュージシャンは皆持っているのだろうか、独特の浮遊感がとにかく気持ちいい。
洗練されたサウンドと僕ら世代の人が安心して聴けるちょっと懐かしい感じ。
そして憂いを含んだメロディが美しすぎる。
O Som Do So(太陽の音)、今年の夏はこれで乗り切ろう。夏の1枚、決定。

Fernanda Takai(フェルナンダ・タカイ) / Descança Coração

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「今はもう秋 誰もいない海〜」もう秋ですねー。
1970年にトワ・エ・モワが歌って大ヒットした「誰もいない海」。
作曲は越路吹雪さんの旦那さん内藤法美さん、作詞は山口洋子。
60年代っぽいほのぐらい空気の漂うこういう曲はとても好きだ。

子供の頃に家の車には8トラックのカーステレオが載っていて、このトワ・エ・モワの「誰もいない海」が頻繁にかかっていたのを憶えている。
子供心にもとてもいい曲だなあ、なんて思っていた。

先日書いたボサクカノヴァのライヴCDの付属DVDの記事でも書いたが、フェルナンダ・タカイがちょっと気になっていたので彼女のソロ・アルバム「彼女の瞳が届く処」を聴いてみた。
で、その中の「Descança Coração (My Foolish Heart)」の歌い出しを聴いて、この「誰もいない海」を思い出した。
メロディーラインとコード進行が少し似ているのかもしれないが、多分編曲と歌い方のせいかな。
ビル・エヴァンスの「My Foolish Heart」しか聴いた事がなかったが、「誰もいない海」を思い出すなんてことはなかったし。
ハープシコードが効果的に使用されていて、ちょっと秋っぽい雰囲気を感じさせるからかもしれない。
いずれにしても日本人好みな感じの節回しに仕上がっていて、とてもいい。

で、それが何?って感じだが、「誰もいない海」にボサノヴァのコードが乗せられたら素敵だなとちょっと思った。
ボサノヴァ風というよりはボサノヴァのコードをつけてみるということ、難しいかな。

Leo Minax(レオ・ミナックス)

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レオ・ミナックス。
スペインで活動をしているブラジル、ミナスジェライス出身のシンガーソングライター。
僕のボサノヴァ・ギターの先生にレッスン後に聴かせていただいて知ったのだが、何でもMySpaceで知り合ったアーティストなのだそうだ。
先生にはトニーニョ・オルタクルビ・ダ・エスキーナなどミナス系のアルバムを教えてもらって、ここのところ僕の琴線のツボは刺激されまくりだったのだが、このレオ・ミナックスも最初聴いたときに甘いメロディと独特の空気感がとても心地よく感じた。

だがしかし!
レオ・ミナックスの音楽は他のミナス系のアーティスト同様、いや、それ以上にただメロディが美しいだけではなく、複雑でちょっと重たい。
だから軽い気持ちで聴こうとするとちょっとしんどい時がある。
でもすごくカッコいい。
まだこのアルバムしか聴いていないのだがロックな曲ポップな曲ボサ系な曲などいろいろ。
で、変拍子、特に7拍子?の曲が多いのが面白い。

そんでもって、今週からライブが始まる。祝初来日!
名古屋、大阪、京都、山形、東京、鎌倉。
なんだかすごいことになっているみたい。
オフィシャルサイトも盛り上がってる。
http://leominax.blog54.fc2.com/

もちろん僕も行く。すごく楽しみ。

La Rana / Agustin Pereyra Lucena

アグスチン・ペレイラ・ルセーナ。
前回の「Ese dia va a llegar」(1975年4thアルバム)に続いて1980年発表の6作目「La Rana」。
ルセーナが母国アルゼンチンを離れてヨーロッパで活動している時期、それもノルウェーに滞在していた時期に制作された作品。
内容は「Ese dia va a llegar」同様にカヴァーとオリジナルが半々ぐらいの割合。
1曲目のIvan Linsの「3 Horas Da Manha」からさわやかなフルートとボーカルラインが最高。
どの曲にもアグスティン独特の空気感があり、これがまさにオリジナリティといえるものなのだろう。
このアルバムの個人的ベストトラックは4曲目「Despues De Las Seis」。
ギター1本で演奏されるのだが、あまく切ないコード進行がそしてグルーヴ感がカッコいい。
コピーしてやろうと挑戦中だが難しい・・・。

↓「Despues De Las Seis」ライヴ!超かっこええ!!

Esa Dia Va A Llegar / Agustin Pereyra Lucena

アグスチン・ペレイラ・ルセーナ。
60年代から活動しているアルゼンチンのギタリスト。

ブラジリアン・ミュージックのバイブル的存在の”Musica LocoMundo1 “の中で紹介され、その後国内盤のCDがリイシューされていたので気になっていたのだがずっとそのままになっていた。
つい最近ニューアルバム「42:53」が発売になり、こりゃそろそろ聴いておかなきゃということで「Ese dia va a llegar」を購入。

まず1曲目の「Hace Pocos Anos」がすごくカッコいい。ギターのシンプルなリフで始まるのだがサックスとの絡みにおもわずニヤリとしてしまう。
ちょっとクサい感じのフレーズが何ともクセになる。
続く哀愁たっぷりのイパネマの娘もイントロからニヤニヤしながら聴いて、続く曲の女性ボーカルのスキャットも何だか嬉しくなってきて、ジョアン・ドナートの「Amazonas」で完全にやられる。
全篇ボッサスタイルのギターなのだが独特のグルーヴ感、コードが気持ちいい。
バーデン・パウエルなどのブラジル音楽の影響を色濃く感じさせる自身のオリジナル楽曲もとても魅力的。
後半はfender rhodesエレピにフルートも加わって更にメロウな音の世界が広がる。
他のアルバムも聴いてみたい。というかもう他のアルバムにも手を出しているがかなりいい。
しばらくアグスチン・ペレイラ・ルセーナな日々が続きそう。

Clube da Esquina(街角クラブ)

1970年代からブラジルのミナス出身のアーティストが中心になって活動をしていた音楽集団、Clube da Esquina(クルビ・ダ・エスキーナ)が1972年に発表したアルバム「Clube da Esquina」。
ミルトン・ナシメントとロー・ボルジスらが中心にミナスのミュージシャンが参加。
先日、僕のギターの先生に教えていただいたトニーニョ・オルタの1stアルバムがすごく良かったことをお伝えしたら、『それならこの「Clube da Esquina」も是非』とすすめてくださった。

とにかくメロディーが美しい!
おおらかで明るいが、時に切なく、時に厳粛なムードが漂う。
ミナス(正確にはミナス・ジェライス州)はブラジルの南東部に位置するが、元々その地に暮らしていたインディオとアフリカなど様々な地域から移住した人々の文化が複雑に混じり合っている地域らしい。
洗練されたハーモニーの中にある何ともいえない「土臭さ」「浮遊感」は独特だ。
音楽全体の中に漂う包み込むようなやさしい空気がほっとした気持ちにさせてくれる。
疲れた時に何も考えずにこのアルバムに耳を傾けるとなんか気持ちが安らぐ。

1972年発表のこの「Clube da Esquina」には続編があって、1978年発表の「Clube da Esquina 2」がある。
今回、ブラジルEMIからリイシューされた「Clube da Esquina 1&2」3枚組のセットを購入。
「Clube da Esquina 2」の内容もこれまた濃い。
時間をかけてゆっくり聴きたい。ただ聞き流してしまうのはもったいない気がするから。

Terra Dos Passaros / Toninho Horta(トニーニョ・オルタ1st)

トニーニョ・オルタ。
ブラジル、ミナス出身のギタリスト、ヴォーカリスト、コンポーザー。
つい先日まで来日していたみたいです。
このテーハ・ドス・パッサーロスはトニーニョ・オルタが1979年に発表した1stアルバムで長らく廃盤になっていたものがブラジル本国でリイシューされたもの。
僕のギターの先生が「トニーニョ・オルタの1st再発されましたね!すごくいいですよ」と教えてくださったのがきっかけで購入。
聴いてみて、かなりハマりました。(これ以外にも最近のアルバムも購入。)
この人の音楽独特の浮遊感とコード感、そしてグルーヴ感がとても気持ちいい。
それから少しかすれた鼻にかかった声で歌うスキャットも最高。
79年作品ということもありFender Rhodes Electoric Pianoが大活躍しており音づくりも僕的にはめちゃくちゃツボ、ですな。

DESTINY/アントニオ・アドルフォ, ブラジル アンド ブラズーカ

DESTINY / ANTONIO ADOLFO, BRAZIL AND BRAZUKA

アントニオ・アドルフォの新作がFAROUTレーベルからリリース!
ジャケットの60年代を思わせるタイトルのフォントといい、二人の女性といい、しかもあの”ブラズーカ”の文字が入っている。
これはもしかして!とかなり期待をして聴いてみる。

全編アントニオ・アドルフォのFENDER RHODES PIANOが聴ける。
そしてワウワウ・ギター、グルーヴィーなベースにドラム。
リズムセクションはあのアジムスのIvan ContiとAlex Malheiros。
そしてソフトな女性コーラス、ホーン・セクション。
コーラスの二人の女性Carol&Luisaはご本人の娘さんなのだそうだ。
相変わらずのカッコいいJazzyなコード進行と美しいメロディも健在で最高。
文句なしの完璧なアドルフォ・ワールドが全編で炸裂している!

1曲目の”Bola Da Vez”はディストーション・ギターによるスティーリー・ダン的なリフから始まる。
すごく思わせぶりでいい。そこにRHODESと女性コーラスとワウワウ・ギターが。
ああ、もうこれだけでいい。
3曲目の”Luizao”は2005年にこの世を去った元ブラズーカ、そしてブラジルを代表するベーシスト、ルイザォン・マイアをトリビューした曲。
1stアルバムの”TRANSAMAZONICA”を思わせるグルーヴィーな曲。
ここまでですでに期待を裏切るどころか期待以上。
4曲目”Eu e Você”は哀愁をおびた名曲。途中メジャーコードに転調するあたりアントニオ・アドルフォ独特の曲だ。
ちょっととばして8曲目(この間も捨て曲なし!)”Dono Do Mundo”はファンキーなR&B調のイントロから一転してソフトでメロウな女性コーラスに展開するあたりも、ふと当時のブラズーカのアルバムを聴いているかのようなそんな気持ちになる。

2007年、ブラズーカ結成の1968年から約40年。
こんなに素晴らしい”ブラズーカ”の新作が今聴けるなんて本当に幸せ!

ハダメス・ニャタリ/Meu Amigo Tom Jobim

ハダメス・ニャタリ(1906-1988)、ブラジルの作曲家、アレンジャー、ピアニスト、指揮者。
初めて耳にする名前だったが、まだ大成する前のアントニオ・カルロス・ジョビンの才能を見抜きアシスタントとして起用するなどジョビンの師匠である人物らしい。
ルイ・カストロ著「ボサノヴァの歴史」の中で”どんなミュージシャンでも、5分間でいいから隣に立ってみたいと思っていた男”と紹介されている。
この本は読んだが、記憶に残っていなかった・・というか分厚くてちゃんと読めてないか・・。
先日観た映画”This is BOSSA NOVA”の中にも名前が登場する。

このアルバム「Radames Gnattali Meu Amigo Antonio Carlos Jobim」(私の友達アントニオ・カルロス・ジョビン)はニャタリの作品を紹介する企画盤。
作風はいわゆるポピュラー音楽、ジャズ的なものからクラシック音楽的なものまで幅広い。
その中にブラジル的な要素、そしてラテン諸国の作曲家、フランスのラヴェル、スペインのファリャ、ブラジルのヴィラ=ロボスなどに共通のラテン的色彩感が濃厚に漂っている。
同年代に活動していたアストル・ピアソラの音楽にも共通するものがある。

タイトル曲「Meu Amigo Antonio Carlos Jobim」は友人であるジョビンに捧げられた曲。
アコーディオンとエレキ・ギターによって演奏されるメロディーが暖かくほのぼのしていて雰囲気的には古いヨーロッパの映画のサントラを聴いているような気分になる。
続く「Sonatina Coreográfica 」は無調的なメロディが印象的。
70年代のフランスのジャズ・ピアニスト、マーシャル・ソラルの「Locomotion」というアルバムを思い出した。
アルバムの最後にはジョビンがニャタリに捧げて作曲した「Meu Amigo Radames」が二人のピアノの連弾で収録されている。
この曲は知っていたが経緯は全く知らなかった。

ライフワークだったという「Brasiliana」は4番、7番、11番がおさめられているが、メロディと和声が素晴らしく美しい作品群だ。
ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」のように、ピアノやチェロなど曲によって楽器編成が様々。
何番まであるんだろう?全部聴いてみたい。

Ricardo Tete/Geringonca(ヒカルド・テテ/ジェリンゴンサ)


ヒカルド・テテのデビューアルバム「ジェリンゴンサ」。
昨日CDショップをブラブラしていてみつけた。これ、すごくいい。

1978年ブラジルのサンパウロ生まれで現在はパリを中心に活動しているアーティストらしい。
お店のキャプションに”カエターノ・ヴェローゾ!?”って書いてあったが声が少し似ているかもしれない。
曲はメロディアスできれいな曲が多い。
サウンドはガットギター、アコギ、パーカッションが中心だがJazzyなホーンセクションやアルバムタイトルのGeringonça”ガラクタ”っぽいノイジーなギターやシンセサイザーの音が入っていたりとても面白いし聴きやすい。

Nem Paleto, Nem Gravata / Osmar Milito

嬉しいリイシュー!
ブラジルのコンポーザー/アレンジャー/キーボード・プレーヤーのオズマール・ミリートの1973年発表の「ネン・パレトー、ネン・グラヴァッタ」(スーツもネクタイもなしに)。
ちょうど1年前には“… E Deixa O Relogio Andar”(1971年作品)も リイシューされ、1974年作品の”VIAGEM”も国内盤(紙ジャケ仕様)が少し前に出たりとここのところ続いている。
前にも書いたがブラジリアン・ミュージックのバイブル的存在の”Musica LocoMundo1 “の中で紹介されていた4枚のうち3枚がCD化されたことになる。

内容は期待通り最高。
グルーヴィーなドラムとベースにホーンとフェンダー・ローズ、センチメンタルなメロディとコーラスワーク。
立体的な音づくりがカッコよすぎ。
ジャケもいいですね。

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